【日本の料理】代表的な料理のルーツ知ろう ~伝統的な料理編~

ナレッジ

1. はじめにー日本の料理について案内する場面とはー


海外からの旅行者は日本での食事を楽しみにしています。旅行者と食事する際、料理の味を楽しむことに加えて、いつ頃食べられるようなったか、どのような変遷をたどって現在の形になったかといった背景を待ち時間などに説明すると、料理の魅力をより一層感じてもらえます。
この記事では、日本で古くから伝わり、海外でも認知度の高い、寿司、てんぷら、うどんなどの伝統的な料理について、その歴史や由来を紹介します。

2. 伝統的な日本の料理の由来と歴史

寿司


寿司のルーツは東南アジアにあると言われています。現在のように刺身を乗せたものではなく、魚を長期保存するための発酵食品だったそうです。具体的な時代はわかっていませんが、弥生時代に稲作とともに日本に伝わったと言われています。現在のなれずしに近いものだと言われていて、滋賀県の鮒寿司や福井県のへしこのように郷土料理として残っています。
寿司の形態に変化が訪れたのは江戸時代です。東京湾(江戸前)で採れる魚介類やのりを使った握り寿司を出す屋台が人気となり、江戸前寿司と呼ばれるようになりました。そして明治時代になると、氷をつくる技術が発展したことで、刺身も保存しやすくなり、現在の寿司の形へと変化していきました。
旅行者になれずしにチャレンジしてもらうのも体験のひとつになります。ただし、なれずしは匂いが強いため、実際に食べてもらう際には、事前に好みが分かれるものだと伝えた上で味わってもらう方がよいでしょう。

うどん


うどんの起源にはさまざまな説があり、いずれも中国との関連があります。まず、有名な説としては平安時代に遣唐使として中国に渡った空海が製法を持ち帰り、四国に伝わったものが讃岐うどんになったという説です。また、13世紀に宋から帰国した円爾(聖一国師)が福岡でうどんやそばなどの食文化を広めたとする説もあります。福岡市内のお寺には「饂飩(うどん)蕎麦発祥之地」と書かれた石碑が残されています。

一方で、現在のようなうどんが普及したのは、江戸時代になってからと言われています。かつおや昆布が出汁として使われるようになったことや、全国各地で醤油が製造されるようになったことがきっかけで、それ以前は味噌で味付けしたうどんが中心でした。

旅行者に伝える上で、起源に諸説があることに加え、香川と福岡の間では、うどん発祥の地がどちらであるかの論争も起きているといった豆知識を紹介してもよいでしょう。また、讃岐うどん、稲庭うどんなどのように地域ごとで特色があることを伝えると、旅行者の日本の食文化に対する理解が深まります。

そば


そばはユーラシア大陸から伝わったとも言われ、日本では縄文時代から栽培されています。そばの特徴として、当初は現在のような麺ではなく、そば粉をこねて餅状にした、そばがきの形で食べられていました。いつ頃から麺の形状になったか正確な起源は、現在でも判明していません。
しかし、1700年代には現在の長野県塩尻市にあたる場所で、そば切りと呼ばれる麺状のそばが食べられていたそうです。
旅行者を案内する際、そばアレルギーの方が一定数存在するので、気をつける必要があります。ツアーで蕎麦店に入ることが予定される場合には、事前に問題ないか確認を取っておきましょう。

天ぷら


天ぷらの調理法は室町時代にポルトガルから伝わりました。カトリックでは、季節ごとに祈りを捧げ、肉を食べることを禁じる期間(斎日)があります。その期間中に人々は野菜や魚に小麦粉で衣をつけて揚げた料理を食べていたそうです。これが長崎に伝えられて、日本中に広まって現在の天ぷらの形になりました。ちなみにこの斎日のことをポルトガル語では「テンポーラ(temporas)」と言うこともあり、天ぷらの語源であると言われています。

てんぷらは他の日本の料理と比べても、独特の食感を楽しめることから海外からの旅行者にも人気があります。ヒンドゥー教徒をはじめとする宗教上の食事制限や、ベジタリアンなどに合わせて具材を変えることができることから、幅広い旅行者に対応できる料理でもあります。

焼き鳥


日本では昔から鳥は食べられてきました。新石器時代に鶏が家畜として日本に伝わったと言われてます。焼き鳥の原型ができたのは平安時代です。稲作をする上での害鳥である雀を捕まえて、串に刺して食べた記録が残っていて、これが焼き鳥の始まりとされています。当時は調理する時にだけ串に刺して、食事の際には抜かれていました。

現在のような焼き鳥に近い形になったのは江戸時代です。軽食を食べる屋台が流行し、歩きながら食べたいというお客さんの要望に応えて、串に刺されたまま販売されるようになりました。そこから「焼き鳥は串に刺さっているもの」とする考えが定着しました。また、江戸時代の記録に、塩、醬油などで味付けをするという焼き鳥の調理方法も記載されています。

3. おわりにー関連記事の紹介ー

この記事では日本の伝統的な料理の由来や歴史について紹介しました。食事などで旅行者を案内する際は、料理の説明に由来や歴史を交えてストーリー立てて伝えると、旅行者の印象に残りやすくなるとともに、食事の会話も活発になるでしょう。この他にも、ラーメン、お好み焼き、カレーなど、近代以降に海外から日本に伝わり、定着した料理について解説した記事も掲載していますので、参照ください。

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