【世界遺産】京都の世界遺産を案内する際のポイント

ナレッジ

1. はじめにー人気観光地ならではの注意事項がありますー


京都には日本の歴史や文化を感じられる場所が豊富にあり、オーバーツーリズムが懸念されるくらい大勢の旅行者が訪れます。旅行者を案内する上で、京都特有の気をつけるべきポイントがあります。
京都の世界遺産は構成資産が多いため一日では回りきれないことや、人気の観光地であるが故に混雑を想定して旅程を組む必要があるなど、様々な注意点があります。この記事では京都の世界遺産を案内する際の注意事項をまとめています。

2. すべての世界遺産を巡るには

全て回るには4日程度が必要

世界遺産「古都京都の文化財」は、京都市とその周辺の自治体における17の構成資産をにより形成されています。図を見るとわかるように、広範囲に渡っており、電車や路線バスを組み合わせたり、車をチャーターするなどの手段を使った場合でも、全て回るには4日程度は必要になります。おおまかな想定ですが、エリアごとに周遊するとして、以下のようなスケジュールで全ての構成資産を巡ることが可能です。

1日目:市街地エリア(二条城、清水寺、東寺など)
2日目:北西部エリア(高山寺、西芳寺、金閣寺など)
3日目:北東部エリア(延暦寺、上賀茂神社、下鴨神社など)
4日目:南東部エリア(醍醐寺、宇治上神社、平等院など)

実際には、構成資産の周辺にも訪問すべきスポットがあることや、史跡によっては事前予約の手続きが必要なこともあるため、旅程は異なったものになると思います。旅行者の要望に合わせて訪問場所や滞在時間などを調整してください。

3. 予習すべき知識


世界遺産に関する案内をする上で、各スポットの歴史や文化などの下調べは重要です。ここでは京都が世界遺産に選ばれた背景や、構成資産に共通して説明する可能性が高い情報を紹介します。

京都の街の歴史

京都が世界遺産に登録された理由として、文化財の保存状態がよいことが挙げられます。平安京が整備されて以来、京都は1000年以上も都として首都機能を果たしてきました。その長い歴史ゆえ、京都の文化財は保存状態がよいのです。
一方で、京都の街は何度となく戦乱に巻き込まれてきました。応仁の乱や戊辰戦争などによって焼失した文化財も少なくありません。その度に街が復興を遂げてきた経緯があります。加えて、郊外の文化財などは運よく争いから逃れることができたため、歴史的価値のある建築等が当時のまま保存され、世界遺産への登録に繋がりました。

仏教の宗派の違い

世界遺産には寺社仏閣が含まれていることから、神道と仏教のそれぞれについての説明が想定されます。特に寺院については構成資産の数も多いことから、仏教に関する一定の知識を習得しておく必要があります。
なかでも宗派に関する理解は重要です。天龍寺や金閣寺などは禅の教えを重視する臨済宗である一方で、本願寺はお経を唱えることを重視する浄土真宗です。宗派によって重視する修行や考え方などを紹介すると、旅行者の仏教に対する理解が深まります。

庭園の知識

世界遺産の仏閣には日本庭園を備えていることも多いため、庭園の形式についても調べておく必要があります。枯山水、浄土式庭園などの特徴を押さえつつ、借景などの手法や。石灯籠のように園内に配置されている装飾物についても知っておくと、旅行者から質問が来てもスムーズに回答することができるようになります。
また、ツアーのなかで複数の庭園を訪問することがあれば、それぞれの特徴を比較しながら案内することでツアーをより楽しんでもらえます。

4. 旅行者を案内する際の注意点


ここからは世界遺産に限らず、京都を案内する上での全般的な注意事項について紹介します。

オーバーツーリズムへの対処

京都をガイドする上で、オーバーツーリズムは常につきまとう課題です。今後状況が変化する可能性はありますが、道路渋滞でバスの移動時間が読めなかったり、飲食店が混雑して入店するまでに時間を要することが考えられます。
対策として、バスで移動する場合には移動を多めに見積もっておいたり、電車移動に切り替えるなどの対応が必要です。飲食店については可能な限り予約しておく、11時頃や13時以降など、昼食時間をずらすなどの工夫も必要です。

お得な乗車券の利用

公共交通機関を利用して移動する場合には、一日乗車券を利用すると都度支払う手間が省け、費用も抑えることができます。
市街地を案内する時には、バス1日券や地下鉄・バス1日券は利用するとよいでしょう。このほかにも、京都・嵐山の1dayパスや比叡山フリーパスなど乗車券の種類は数多くあります。利用する交通機関や案内するエリアに合わせて、ツアーの際に活用してください。

食事のアレルギーに注意

京料理には見た目では材料がわからないものが多くあるため、旅行者と食事する際、アレルギーに特に注意するようにしましょう。飲食店を予約する時や現地で料理を注文する時に、アレルギーに該当する食材が使われていないか、必ず確認するようにしましょう。

夏場の熱中症対策

京都は海から遠く、周囲を山に囲まれた盆地のため、夏はかなり気温が高くなることもあり、熱中症への対策をとる必要があります。こまめに水分補給をするほか、ツアー中の休憩時間を多めにとるなどの工夫が必要です。

5. おわりにー世界遺産の魅力を伝えるガイドの役割ー

清水寺や金閣寺などの著名なスポットについては旅行者の認知度も高く、案内する機会も多いと思います。一方で、醍醐寺や比叡山のように、人気エリアからやや離れているスポットについては、プライベートツアーなどで旅程を組む際、ガイドから旅行者へ提案するのもよいでしょう。そのような形で、京都の世界遺産の魅力を主体的に伝えていくのもガイドの役割ではないでしょうか。
ガイドナビでは、このほかにも京都の世界遺産に関する記事を紹介しています。今後の案内で説明する機会のある史跡の下調べなどにぜひ活用してください。


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