【世界遺産】「古都京都の文化財」構成資産と特徴を知ろう

ナレッジ

1. はじめにー旅行者に人気の京都ー

この記事では、世界文化遺産としての側面から京都を紹介します。登録されている文化財の場所や京都が世界遺産に選定された理由などについて説明します。これから京都へ訪日旅行者を案内しようと考えている方に役立つ内容となっています。

訪日旅行者に京都が人気の理由

なぜ京都は訪日旅行者に人気なのでしょうか。理由は様々ですが、大きな理由としては、伝統的な景観が残されていることがあります。歴史ある町並みや四季折々の豊かな自然など、外国人がイメージする日本らしさが京都にはあることが魅力と言えます。

加えて、お茶、漬物、和菓子など日本ならではの食文化を楽しめること、箸や扇子をはじめとした工芸品を取り扱う土産店が多く立ち並ぶことなども理由として挙げることができます。

2019年には886万人の外国人が京都を訪れています。これは訪日旅行者のうち、3.5人に1人が京都を観光していることを意味しています。また、訪問率では東京・大阪・千葉に次いで全国4位です。上位はすべて国際空港がある都市であることを考えると、統計からも人気の高さが分かります。

いつ世界遺産に登録されたのか

京都が世界遺産に登録されたのは1994年です。法隆寺地域の仏教建造物や姫路城などに次いで、日本では5番目でした。

登録された背景は、京都が観光地として人気がある理由とも繋がりますが、時代・文化を代表する建立物があることや遺産の保護状況が優れていることなどが評価されたためです。

構成資産(世界遺産に登録された文化財)は17件です。京都府京都市を中心に、一部の資産は近隣の自治体にもまたがっていて、平等院のある京都府宇治市、延暦寺のある滋賀県大津市が含まれています。

2. 構成資産と地域分布

次に具体的な構成資産を見ていきましょう。ここでは、分布図をもとに、それぞれの遺産の名称と位置関係を紹介します。また、実際にガイドコースを組み立てる時に活かせるエリアごとの特徴についても解説します。

  1. 賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ・京都市北区)
  2. 賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ・京都市左京区)
  3. 教王護国寺(きょうおうごこくじ・京都市南区)
  4. 清水寺(京都市東山区)
  5. 延暦寺(大津市坂本本町、京都市左京区)
  6. 醍醐寺(だいごじ・京都市伏見区)
  7. 仁和寺(にんなじ・京都市右京区)
  8. 平等院(宇治市宇治蓮華)
  9. 宇治上神社(うじがみじんじゃ・宇治市宇治山田)
  10. 高山寺(こうざんじ、こうさんじ・京都市右京区)
  11. 西芳寺(さいほうじ・京都市西京区)
  12. 天龍寺(京都市右京区)
  13. 鹿苑寺(ろくおんじ・京都市北区)
  14. 慈照寺(じしょうじ・京都市左京区)
  15. 龍安寺(りょうあんじ・京都市右京区)
  16. 本願寺(西本願寺・京都市下京区)
  17. 二条城(京都市中京区)

また、京都の世界遺産は位置関係や交通手段を考慮し、4つのエリアに分類することができます。

市街地(二条城、慈照寺、清水寺、教王護国寺など)

観光地として人気の高いスポットが多いことに加え、京都の中心街に位置し、鉄道やバスの交通手段も整備されていることから周遊しやすいエリアです。一方で、旅行者も集中しやすいため、訪問時には混雑が想定されます。

北西部(金閣寺、高山寺、西芳寺など)

やや市街地から離れるものの、電車やバスを活用しながら周遊ができるエリアです。特に金閣寺、龍安寺、仁和寺は比較的距離が近いため、まとめて訪問しやすいです。また、天龍寺や西芳寺へ訪問する際には嵐山の観光とセットにできます。

北東部(賀茂別雷神社、賀茂御祖神社、延暦寺)

市街地からやや離れることや、それぞれのスポットまでの移動距離が長くなるため、周遊はやや不便となります。賀茂別雷神社、賀茂御祖神社の間はバスで移動することが可能ですが、延暦寺までは山を登るため、ケーブルカーを利用する必要があります。

南東部(醍醐寺、宇治上神社、平等院)

構成資産が郊外にあるため、市街地から電車やバスを利用して訪問する必要があります。宇治上神社、平等院は宇治エリアの観光と組み合わせて、その地域を回遊できます。一方で、醍醐寺は他の観光エリアと距離もあり、広大な敷地があることから本資産を単独で訪問するのが望ましいです。

以上のように各遺産の魅力と位置関係を考慮した上で、実際のツアーにおいては訪問ルートを検討する必要があります。

3. 世界遺産に登録された理由

ここではなぜそれらの文化財が世界遺産として登録されるに値するのかを説明します。ユネスコに評価された具体的な2つの理由である「時代・文化を代表する建立物である」こと、「遺産の保護状況が優れている」ことを解説していきます。

時代・文化を代表する建立物であること

京都には各時代ごとに発達した文化が蓄積されており、特に建造物、庭園、伝統芸能などに時代の足跡が感じられることが評価されています。例えば、建築においては12世紀までの寺社仏閣の建築に使われてきた様式である「和様」や、16世紀末から17世紀初頭に用いられた装飾の多い「桃山様式」が代表的な例です。

それぞれ時代は異なりますが、京都で磨かれ、日本全国に波及していった建築様式です。庭園においても、浄土式庭園や枯山水などに同じようなことが言えます。

様々な建築デザインや庭園デザインが京都から全国にもたらされました。各地の都市構造も京都を模範とし、いわゆる「小京都」が形成されていったことも評価されているポイントです。
歴史的背景だけでなく、茶の湯や祭りをはじめとした伝統的な芸能や行事が今でも盛んに行われ、京都市民の生活にその文化が生き続けていることも重要なポイントとして指摘されています。

以上のように、世界遺産として推薦された京都の資産は、日本の建築、造園、伝統文化の発展と存続に大きな影響を与えていることが評価されています。

遺産の保護状況が優れていること

世界遺産において資産の保存状態は非常に重要視されますが、京都の歴史的建造物は木造であることが多く、特に市街地においては内乱や火災等によって多くの文化財が失われてきました。

しかし、市街地周辺の山中においては内乱の影響も少なく、10世紀中期以降の建造物や庭園が残り、山中の自然とそれらの建造物とが一体となって当時からの景観が残されています。また、近代化が進んでいる中心街でも、16世紀末以降のものは焼失せずに残っているものがあり、世界遺産の登録対象となっています。

加えて、今日まで文化が絶えることなく継続的に保たれてもいることも重要な点です。外国からの侵略をほとんど受けず、異文化による日本文化の破壊がなかったことや、第二次世界大戦において爆撃の被害を被らなかったことが、京都を特別な場所として際立たせていると言えます。

4. おわりにー関連記事の紹介ー

世界遺産に登録された側面から京都についてお伝えしました。この記事で紹介したような世界遺産に登録された理由を踏まえた上で案内すると、京都で育まれてきた歴史や文化をより深く伝えられるのではないでしょうか。

ガイドナビでは、京都の世界遺産について、各構成資産を紹介したものやガイドする上での注意点に関する記事も紹介しています。また、京都に限らず、ほかの地域の世界遺産を取り上げた記事もあるので、ツアーの内容や興味に応じて活用してください。


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