【茶道】茶道体験の流れとガイドのポイント

ナレッジ

1. はじめにーどのような場所で茶道体験をするかー

茶室で記念撮影茶道体験ができる場所には、茶室で行う茶道教室や、茶店がイベントとして企画するものなどがあります。また、寺院や庭園などでは、抹茶と和菓子が出されることがありますが、これもひとつの茶道体験と言えます。

人数の規模や和服を着るかどうか、席では正座をするか、あるいは椅子に座る立礼式(りゅうれいしき)かなど、体験の形式によって要する時間も金額も変わってきます。
所要時間は、30分~1時間程度で終わるものから、4時間以上かかるものまで幅広くあります。金額も千円程度から1万円程度と内容によって幅があるため、旅行者のニーズに応じて体験内容を選ぶ必要があります。

この記事では、茶道体験の全体的な流れを紹介しながら、茶道における基本的な作法やマナーについても解説します。茶道の経験がない人でも旅行者を案内できるよう、ポイントをわかりやすく解説しています。

2. 体験する時の服装・持ち物

茶道の手順を聞く体験者体験できる施設ごとに内容は異なりますが、一般的には白足袋もしくは白い靴下を準備しておけば体験ができます。施設によっては白に限定していない場合や、貸し出しをしているところもあります。白足袋、白い靴下に履き替えることで茶室を清潔に保ち、心身を清める意味があると言われています。

茶道は和服で行われているイメージがあると思いますが、必ずしも和服を着用する必要はありません。注意点として、指輪や時計などのアクセサリーを予め外しておく必要があります。茶碗や漆器などの茶道具を傷つけてしまう可能性があるためです。

この他、施設側で用意している場合もありますが、扇子、懐紙、菓子切りなどの道具を準備しておくと、より自分らしくお茶を楽しめます。

3. 茶室での席順

茶道体験の基本的な流れについて解説しましたが、ここからは亭主をはじめとした参加者の役割について説明します。

茶道体験に参加する人たちの中にも役割があります。客人をもてなす亭主側と、亭主からのもてなしを受ける客人側に分かれます。客人の中でも最も上位の席に座る人を正客と呼び、茶会での主賓にあたります。

亭主

茶会を催す中心人物で、招いた客人を接待します。招く側に相応しい装いが求められます。客人から質問を受けて、道具、抹茶、菓子などについて説明をします。

半東(はんとう)

茶会を円滑に進めるために亭主の補助をする役割です。茶菓子を客人に出したり、亭主が点てたお茶を運んだりします。

正客(しょうきゃく)

客側の代表となる人で、正客を中心に茶会は行われます。最も上位の席に座り、茶会に招かれたお礼を言ったり、用意されている抹茶や掛け軸、生け花について亭主に質問します。茶道の経験はもちろん、教養が必要な役割です。

末客(まっきゃく)

客側の末席に座ります。茶道具を確認したり、亭主に返したりする役割があり、客側においては正客に次いで重要な役割となり、お詰めとも呼ばれます。

相客(あいきゃく)

正客に同伴する客人という位置付けです。他の人と比べても役割が少ないため、茶道の初心者は相客から始めることが多く、席の場所も末客に近く位置します。

海外からの旅行者を案内する場合には、席順や役割が厳密ではないカジュアルな体験をすることが多いと思います。旅行者が本格的な体験を希望する場合には、一般的な初心者と同様に相客で参加するのがよいでしょう。ガイドは正客や末客は避けつつ、隣で通訳するのが望ましいです。加えて、体験内容を確認した上で、施設にはガイドが同行することが問題ないかも必ず確認するようにしましょう。

4. 体験の全体的な流れ

茶道には茶事と呼ばれる食事を含めた上級者向けの形式がありますが、ここでは略式で気軽に楽しめる茶会形式の流れについて解説します。順番に「挨拶」「茶菓子を食べる」「お茶を点てる」「お茶を飲む」の大きく4つの項目に分けることができます。

 

挨拶

茶道の挨拶まず茶室に入り、先生(亭主)に挨拶をします。扇子を膝の前に置くのが正式な作法です。扇子は自分と他者の境を表していて、相手への尊敬の念を示すために使われています。体験によっては、扇子を使わない場合もあります。

茶菓子

茶菓子続いて茶菓子を正客から順に1人ずつ食べます。先生から「お菓子をお取り下さい」という合図があってから、お菓子を取ります。その際、取り皿として「懐紙(かいし)」にお菓子を乗せて食べます。茶菓子を食べる意味は二つあります。一つは口の中に甘みが残ることでお茶の味を引き立てることができること。もう一つは、空腹のときに抹茶を飲むと胃の負担がかかるので、それを和らげる目的があります。

自分の順番が回ってきたら、次の順番の人に「お先に」と一声かけてから受け取ります。これは同席者への心づかいを示しています。

先生がお茶を点てる

先生がお茶を点てる次に先生がお茶を点てます。この時、客人は先生の作法や所作を見守り、話しかけないようにして、緊張感のある雰囲気を味わいましょう。お茶碗に抹茶とお湯を入れて、茶筅(ちゃせん)でかき混ぜるのがお茶を点てる作業です。お茶を点てる一連の作法・所作を点前(てまえ)と呼びます。

出来上がったお茶の表面には細かい泡があります。抹茶の量、お湯の量や温度、点てる時間などによって、お茶の味は変わります。体験によっては参加者自身でお茶を点てるプランもあります。

お茶を飲む

お茶を飲むお茶を飲む際、「お点前頂戴いたします」と一言述べてから茶碗を持ちます。茶碗を時計回りに2回まわします。これには茶碗の正面を先生に向けて、先生への敬意を示すという意味があります。

お茶は泡を残さず飲みます。飲み切る時にはズズッと音を立てる「吸い切り」を行います。これにはお茶を立ててくれたことへの感謝を表すとも言われています。飲み終わったら飲み口を左から右に1回、右手の指でぬぐいます。ぬぐった指は懐紙でふき取りましょう。最後に茶碗を反時計回りに2回まわして、最初に出された方向に戻します。

5. おわりにー多様な日本の芸術が楽しめる茶道ー

この記事では、茶道体験の流れを中心に紹介しました。それぞれの作法の意味を旅行者に伝えながら、日本のおもてなしの精神を味わってもらいましょう。茶道はお茶を楽しむことが主目的ですが、掛け軸、生け花、庭園など、多くの日本の芸術が詰まっているので、それらと茶道の繋がりについてもぜひ紹介してください。

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