【仏教】知っておきたい寺院の案内方法 ~参拝から写経体験まで~

ナレッジ

1. はじめにーお寺の案内方法の重要性ー

仏教・清水寺お寺は、僧侶が仏教の修行や行事を行う宗教施設です。日本には6世紀に現在の朝鮮半東から仏教が伝わり、日本初の仏教寺院となる飛鳥寺が現在の奈良県に創建されました。

現在、日本には約8万の仏教寺院があるとも言われており、東京の浅草寺や京都の清水寺などに代表されるように、全国各地には観光地として人気の高いお寺が数多く存在します。
この記事では、海外からの旅行者を寺院に案内する際のポイントについて紹介します。参拝の際に行う合掌や境内の建造物に込められた意味などの知識についてお伝えします。今回紹介する案内方法はさまざまな地域の寺院でも共通するため、一度習得すればどこでも応用することができます。

2. 参拝する上での案内

まずはお寺を参拝する際の作法についてご紹介します。各所で細かな作法がありますので、基本的な知識を身につけ、正しく案内できるようになりましょう。それぞれ順に説明します。

山門をくぐる

寺院を訪れると初めに目に入るのが「山門(さんもん)」と呼ばれる大きな門です。この門は私達が暮らす世俗の世界と仏道の世界の境界の役割を持っています。神道における鳥居に近い存在と言えます。
山門の前で一礼や合掌をしてから入りましょう。合掌は仏様の世界を表す右手と、私たちが生きるこの世を表す左手を合わせることで両者が一体となり、成仏を願う気持ちを表しています。

また、山門の敷居は踏まずに跨いで通りましょう。理由は諸説ありますが、結界が壊れてしまうことや建物が傷んでしまうことを避けるためだと言われています。

手水舎で身を清める

手水舎で清める人たち手水舎(ちょうずや)は、本堂に向かう前に身を清める場所です。以下の順番で手と口を清めていきます。

  1. 左手を清める。
  2. 右手を清める。
  3. 柄杓の水を左手にため、口に含む。左手で口を隠して静かに水をはき出す。(※柄杓に口を付けないようにしましょう。)
  4. もう一度左手を清める。
  5. 柄杓の柄を清める。

現在は感染予防のために柄杓がない場合もあります。また、手水舎には手を拭くものはないことが多いので、ハンカチを用意しておくと良いでしょう。

本堂で参拝する

本堂事例本堂は最も大切な信仰の対象である本尊が置かれたお堂です。境内でも最も重要建物の一つで、真言宗では「金堂」、浄土真宗では「阿弥陀堂」、禅宗では「仏殿」などと呼ばれます。

お賽銭を入れる際は金額は自由ですが、5円は「ご縁がある」として縁起がいいとされています。鰐口(わにぐち)と呼ばれる銅製の鳴り物がある場合には、紐を使って鳴らした上で、合掌しながら一礼し、願い事を念じます。鰐口を鳴らすのは、仏様に自分の訪問を知らせる意味があります。
神社では手を叩きますが、お寺では音を立てずに手のひらを合わせます。これには心の平穏や仏を信じる心を表現しているとも言われています。
本堂を離れる前に再度一礼をします。

また、線香で常に煙が立っている器、常香炉(じょうこうろ)がある場合には、煙を浴びる体験をしてもよいでしょう。身を清める意味や身体の悪いところが良くなる言い伝えなどを合わせて紹介してください。

特徴的な建造物を紹介する

寺院の境内には本堂のほかにも特徴的な建物が存在します。寺によって見どころとなるものは異なるため、それぞれの魅力やツアーの滞在時間に合わせて紹介してください。ここでは代表的なものについて説明します。

仏塔

仏塔仏塔は、ブッダの遺骨を納めるために造られた建物に起源があります。宝塔(一重塔)、多宝塔(二重塔)などさまざまな種類がありますが、特に旅行者に人気が高いのは五重塔です。五重塔は各階で仏教的な宇宙観を表していて、下から順に地、水、火、風、空を意味します。

鐘楼(しょうろう)

鐘楼梵鐘(ぼんしょう)という鐘を吊るした建物です。小さな寺院にも見られることも多く、塔と並んでお寺を象徴する建物です。元々は時間を知らせるために梵鐘は鳴らされていました。鐘の音は仏様の声とも言われています。鐘をつく時は音が大きくなりすぎないよう気を付けましょう。現在は鐘をつくことを禁止しているお寺も多いため、事前につくことが可能か確認することも必要です。

講堂

お経を読み上げたり、説教や経典の講義をする場所です。寺院建築における重要な建物の一つですが、現存するものは少ないと言われています。

食堂(じきどう)

その名の通り、食事をする場です。公開されている寺院もありますが、歴史的にはこの場所で戒律や作法に則って僧侶たちが食事を取っていました。

方丈(ほうじょう)

寺院の住職が生活する建物です。方丈とは本来1丈(約3メートル)を四方で囲んだ面積を意味していましたが、方丈に全宇宙が内在するという考え方が転じて、現在の建物の意味になりました。庭園を備えていることもあります。

御朱印やお守りを買う

御朱印・寺
御朱印とは「仏様とのご縁の記録」であり、参拝した証明書でもあります。授与所に行き、御朱印代を納めることで書いてもらうことができます。御朱印帳は授与所にもありますが、大きな文具店では、さまざまなデザインの御朱印帳を置いている場合もあり、好きなデザインのものを選ぶことができます。
御朱印帳は寺と神社のどちらでも使用できることが多いですが、神社のものが入った御朱印帳だと御朱印を断られる場合もあるので注意が必要です。御朱印をもらう流れとしては以下となります。

  1. 授与所の受付で御朱印を依頼する
  2. 御朱印の費用を支払う(300円〜500円が一般的)
  3. 御朱印帳を渡す
  4. 御朱印の記入を待ち完了後、御朱印帳を受け取る(待ち時間は5分程度だが、混んでいる場合は番号札を渡されることも)

また、お寺の御守りは読経や焼香などが施されている祈りの結晶です。商売繁盛や交通安全、学業成就、安産祈願など、さまざまな種類のご利益があり、お土産にもぴったりなので、旅行者にご利益を説明しながら案内しましょう。購入にかかる金額は一般的には500円〜1,000円程度です。

3. お寺でできる体験

お寺では参拝以外にも仏教体験をすることができます。
予約が必要なこともあるため、必ず事前に確認するようにしましょう。

座禅

座禅座禅とは姿勢を正して座り、精神統一をするという仏教の修行方法のことです。姿勢や呼吸を整え、自分自身を見つめ直し、心を落ち着かせるという実用的な効果が注目されています。しかし、仏教においては座禅そのものに目的があるという考え方があります。

座禅体験は寺院によって内容が異なるため、訪問する寺院の運営状況を確認しましょう。予約が必要な場合も多く、予約不要の場合でも決められた日程・時間帯で行われるためこと多いです。
費用としては1,000〜2,000円程度で、所要時間は1〜2時間程度で体験が可能です。流れとしては、座禅のやり方と実践をするのが基本形で、そこに掃除をしたり、僧侶から説法を受けるなどの内容が加わることがあります。

写経

写経写経とは、仏様の教えが書かれたお経を紙に書き写す修行です。元々は僧侶が経典の勉強や複製のために行っていましたが、時とともに文字を通して仏様とご縁を結ぶという修行へと変化していきました。

写経体験が可能な寺院は限られるので、訪問予定の場所で体験できるかを事前に確認しましょう。一般的には、費用としては500円~1,000円程度、所要時間は30分~1時間程度で体験ができます。受付で費用を払って、写経用紙をもらい、筆を借りて、所定のスペースで行います。
体験中は漢字の意味や字の書き方、そして経典の意味を伝えましょう。また、筆で旅行者の服が汚れないよう注意を配る必要もあります。

庭園鑑賞

寺院・庭園庭園鑑賞もお寺の楽しみの一つです。四季折々の景観を伝えられるよう植物が配置されていたり、デザインにも作庭者の意図が込められているので、それぞれの庭園における背景知識を調べた上で、旅行者に伝えましょう。

また、日本庭園では自然の石や樹木を使い、ありのままの自然を表現しています。一方で西洋における庭園では花や緑を基調とし、自然を加工して、左右対称で規則的な景観が作り出されています。西洋との比較をしながら日本庭園を案内するとよりわかりやすくなります。

鑑賞方法についても縁側から眺めるものや、庭の中を歩くもの、舟に乗って池の中から鑑賞できるものなど、さまざまな形態の庭園があります。

4. おわりにー関連する記事の紹介ー

お寺は日本の歴史や伝統文化を体感できることから、外国人旅行者向けのツアーでは必ずと言っていいほど訪れる場所となります。

実際の案内では、参拝方法を紹介しつつ、境内の特徴的な建物について解説する、庭園を鑑賞するなどが基本的な流れとなります。加えて、ツアーでの滞在時間に応じて座禅や写経のような仏教体験が組み込めるかを検討するケースが多いと思われます。

ガイドナビでは、ほかにも仏教の歴史や四国八十八ヵ所などの巡礼に関する記事も掲載していますので、ぜひ活用ください。

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