【神道】神社の種類について学ぼう ~祭神や社号の違い~

ナレッジ

1. はじめにー八百万(やおよろず)の神がいる日本ー

神道は古来から続く日本を代表する宗教です。旅行者に伝える上では、日本人の生活や文化に深く根付いていることを理解してもらうことが大きなポイントとなります。

また、神道の大きな特徴の一つに信仰の多様性があります。八百万(やおよろず)の神という言葉に象徴されるように、神様の数が非常に多いです。「神話の神様」、「自然神」、「別の宗教の神様が形を変えたもの」など、さまざまな神様が日本各地の神社に祀られています。

この記事では、約8万社も存在する神社を、神宮や大社のような名称の違いや、天満宮や稲荷神社といった信仰の違いから紹介します。これからあなたが案内する神社について、神道全体における位置づけが理解しやすくなる内容となっています。

2. 社号による分類

元乃隅神社の鳥居神社には格が高いものとそうでないものが存在します。伊勢神宮や出雲大社のような大きな神社は格が高そうなのは想像しやすいかと思います。ここでは社号と呼ばれる分類の方法で、神社の格式について紹介します。

社号には重要な順番に、神宮、宮、大社、神社、社の5種類があります。これに大神宮と呼ばれるものを加えた6種類で紹介されることもありますが、大神宮が成立した歴史的背景の違いから、位置付けの解釈に諸説あるため、ここでは序列が明確な5種類に絞って説明します。

神宮

橿原神宮皇室との関連性の高い神社に与えられる称号です。神宮と呼称される基準は、皇室の祖先神を祀っているかどうかで判断されます。具体的には、初代天皇を祀っている奈良の橿原(かしはら)神宮や明治天皇を祀っている明治神宮などがあります。ちなみに、「神宮」とだけ言うと、伊勢神宮のことを指します。これは伊勢神宮の正式名称が「神宮」とされているためです。

太宰府天満宮_横宮も天皇や皇室にまつわる人物を祀っている神社です。親王(しんのう)と呼ばれる天皇家の男子を祭神としています。また、そのほかにも、歴史上の重要人物が祀られている場合もあります。例えば、菅原道真を祭神とする天満宮や、徳川家康を祭神とする東照宮などもこれに当たります。

大社

諏訪大社地域における代表的な神社に使われる称号です。かつては出雲大社のみにしか付けられませんでしたが、近代以降には、長野の諏訪大社や奈良の春日大社のように、全国から参拝客が訪れる地域の主要な神社にも使用されるようになりました。

神社・社

神社は最も一般的な呼称で、多くの神道の施設で使われます。さらに、社は比較的小さな規模のものに使用され、特に大きな神社から分霊(祭神の霊を分けて他の神社の祭神とすること)した場合に使われるケースが多いです。

3. 祭神による分類

伏見稲荷大社社号にもとづいた神社の分類について紹介しましたが、ここでは祭神による分類で解説します。数の多い順番に11種類を紹介します。地域によって信仰の普及度合いが異なるので、みなさんが今まで訪れたことのない神社もあるかもしれません。そのような神社についても知っておくと、今後の案内に役立つのではないでしょうか。

稲荷社(約20,000社)

稲荷神を祭神として祀っている神社です。全国各地に存在し、最も多い数を誇ります。京都の伏見稲荷大社が総本社ですが、企業のビルの屋上、工場の敷地内などにも祀られています。稲荷は、いねなり(稲成)に由来していて、稲は一粒の米からたくさんの実がなることから、農業だけでなく、商売繁盛の神様としても信仰されています。きつねが守護獣であることから、狐形の像が境内に置かれているのも特徴です。

八幡社(約15,000社)

八幡神を祭神として祀る神社です。八幡神は第15代天皇である応神天皇を神格化したもので、農耕神あるいは海の神とされています。総本社は大分県の宇佐神宮です。源頼朝が鎌倉時代に鶴岡八幡宮を建てた後、武運、鎮守の神として全国的に広まりました。

天神社(約10,000社)

平安時代の学者、政治家である菅原道真を祭神とする神社です。政治的に不遇の人生を送った道真の怨霊を静めるために、神格化し祀られるようになりました。
天神社や天満宮など呼び方が複数存在する理由は、神格化された菅原道真の呼び名である「天満大自在天神」にもとづいているためです。道真が優れた学者であったことから学問の神様や受験の神様として信仰されています。大宰府天満宮や北野天満宮が有名な神社です。

諏訪神社(約6,000社)

諏訪神社は、長野県の諏訪湖周辺に二社四宮が鎮座する諏訪大社を総本社とする神社です。
建御名方神(たけみなかたのかみ)と八坂刀売神(やさかとめのみこと)を祭神としています。農業や水利に関する信仰などで有名です。

神明社(約5,000社)

神明社は、皇室の祖神とされている天照大神を祭神とする神社です。伊勢神宮を総本社としていて、社名は神明(しんめい)神社、天祖(てんそ)神社、皇大(こうたい)神社などがあります。農耕にまつわる儀式と結びついて信仰を集めてきました。

熊野神社(約3,000社)

熊野神社は、和歌山県にある熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)を中心とした神社です。平安時代から鎌倉時代にかけて、皇族や貴族による熊野古道を経由してのお参りが流行したことから、信仰が確立しました。

春日神社(約3,000社)

春日神社は建御雷神(たけみかづちのかみ)など4柱の神を祭神として祀る神社です。奈良県にある春日大社を総本社とし、近畿地方を中心に信仰されています。春日大社は背後にある春日山の原始林とともに世界文化遺産にも登録されています。

八坂神社(約3,000社)

八坂神社は、京都の八坂神社を総本社としていて、祇園さんとも呼ばれます。その起源は平安時代に流行した病を鎮めるために、日本神話でヤマタノオロチを退治し、この世に幸いをもたらしたと言われる素戔嗚尊命(すさのおのみこと)を祭神として祀ったことにはじまります。

白山神社(約3,000社)

白山神社は、富士山、立山と並んで三霊山とも言われる白山の神を祀る神社です。石川県白山市の白山比咩神社を総本社としています。白山神社は各地に存在しますが、特に白山との距離の近い岐阜県や石川県を中心に、新潟県や静岡県にも分布しています。

住吉神社(約2,000社)

住吉神社は住吉三神を祀っている神社です。大阪の住吉大社を総本社としています。海の神、航海の神とされていて、古代においては遣隋使や遣唐使の人たちからも信仰を集めました。

日吉神社(約2,000社)

大山咋神(おおやまくいのかみ)や大国主神(おおくにぬしのかみ)などを祭神する神社です。日吉神社、日枝神社、山王神社などの社名が使用されます。滋賀県の日吉大社が総本社です。猿を神の使いとするのも特徴です。

金毘羅神社(約2,000社)

金毘羅神社(こんぴらじんじゃ)は、大物主神を祀る神社です。香川県琴平町の金刀比羅を総本社とします。もともとは、神社が場所を構えている象頭山の神を祀るものでした。象頭山が瀬戸内海を航行する船の目印とされたことから、航海安全の神として信仰されるようになりました。

4. おわりにー記事を案内する時に活用するポイントー

神社の種類について、社号と祭神の視点からご紹介しました。神宮や宮を訪れるときには、なぜ社号が高いのかの背景を伝えることに加え、同じ社号の神社と比較しながら案内するなどの案内方法があります。

また、日本には数多く神社があることを説明する時には、本記事で紹介した神社の例を神様や信仰の特徴と合わせて紹介するとよいでしょう。ガイドナビでは神道に関連するほかの記事もあるので、気になる方はぜひチェックしてみてください。


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