【高千穂】高千穂に伝わる神話の魅力 ~国生みから神武東征まで~

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はじめにー日本神話の概要ー

高千穂は宮崎県北部に位置し、年間100万人以上の観光客が訪れる人気観光地です。「神話のふるさと」とも呼ばれるように、町内各地に存在する神話のゆかりの地を巡ることは、高千穂での代表的な体験の一つです。

この記事では高千穂の神話ゆかりの地を案内する上で知っておきたい次の3つテーマについて解説します。

  • <テーマ1>国生み・神生みと高千穂
  • <テーマ2>天岩戸神話と高千穂
  • <テーマ3>天孫降臨と高千穂

日本神話と日本

それぞれのテーマに入る前に日本神話の全体像について知っておきましょう。
日本神話とは、世界のはじまりから初代天皇である神武天皇による建国までを主に扱った物語です。日本最古の書物である古事記や日本書紀に記されており、主に次の3つの神話群に分けることができます。

1.高天原(たかまがはら)神話

神々が住む場所である高天原を中心に描かれる物語です。イザナギとイザナミの2柱の神が現れ、多くの神と日本の国土を生み出します。最後には、三貴子(みはしらのうずのみこ)と呼ばれる太陽神・天照大神(あまてらすおおみかみ)や月読命(つくよみ)、素戔嗚尊(すさのおのみこと)を誕生させます。ここまでのストーリーを「国生み・神生み」と一般的には呼ばれます。
その後、「天岩戸(あまのいわと)神話」が続きます。気性が荒い素戔嗚尊が暴れ回った結果、天照大神が岩でできた洞窟、天岩戸に隠れ、世界は暗黒に包まれてしまいます。八百万の神々が協力して天照大神を連れ出し、世界に光が戻りますが、素戔嗚尊は高天原から地上へと追放されてしまいます。

2.出雲神話

高天原を追われ、出雲に降り立った素戔嗚尊とその子孫が登場する物語です。素戔嗚尊は怪物として恐れられていたヤマタノオロチを退治し、大蛇の体内から手に入れた草薙剣(くさなぎのつるぎ)を天照大神へ献上します。その後、素戔嗚尊は地上に留まり、その子孫たちが地上を繁栄させます。
しかし、その後には地上を治める神が変わる話へと続きます。高天原では天照大神の子孫が地上を統治すべきだという話になります。天照大神の孫、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が草薙剣を含む三種の神器を持って地上へと向かいます。この瓊瓊杵尊が舞い降りた場面は天孫降臨と呼ばれます。

3.日向神話

日向神話は、天降した瓊瓊杵尊とその子孫の話が中心となります。浦島太郎の原型とも言われる「山幸彦と海幸彦(やまさちひことうみさちひこ)」をはじめ、日向国(現在の宮崎県)で物語が展開されます。その後、初代天皇である神武天皇が大和(現在の奈良県)へと入り、日本国をつくるという神武東征へと話が続きます。

この後のテーマでは、「国生み・神生み」「天岩戸神話」「天孫降臨」を取り上げて、高千穂との関わりを含めて解説します。

<テーマ1>国生み・神生みと高千穂


ここでは、国生み・神生みの物語を紹介し、高千穂との関わりについても解説します。旅行者を案内するスポットとしては、おのころ池が挙げられます。

国生み・神生みの物語

遠い昔、日本の国ができる前の時代、神々の住む高天原というところがありました。ある時、神々は下界に新しい国を造ろうと考え、イザナギとイザナミという2柱の神に命じ、矛を授けました。
2柱は矛で地上をかき混ぜました。矛を引き上げる時にしたたり落ちた潮水が、積もり固まって出来たのがおのころ島です。イザナギとイザナミは夫婦となり、たくさんの神と国を産みました。その際に日本列島もできました。
イザナミは火の神を産みますが、大火傷を負い死んでしまいました。イザナミの死を悲しんだイザナギは、死者の国である黄泉の国へと行き、高天原に戻るようにイザナミを説得します。しかし、そこで見たのは変わり果てたイザナミの姿でした。イザナギは驚いて、逃げ帰りました。
イザナギは黄泉の国の穢れを落とすために水で心身を清めます。その際に、脱ぎ捨てた衣服や垢からたくさんの神が産まれます。左目、右目、鼻を洗った時に誕生したのが、天照大神、月読命、素戔嗚尊でした。イザナギは3柱の誕生を喜び、天照大神には高天原を、月読命には夜の国を、素戔嗚尊には海原を治めるように命じたのでした。

高千穂との関わり

高千穂と国生み・神生みの物語の関わりとしては、最初に創り出された島であるおのころ島が、高千穂峡の沿いのおのころ池にあります。上記のストーリーを合わせて、おのころ島は架空の島であるという説や、淡路島の沼島や絵島などおのころ島と伝えられてきた場所があることも紹介しましょう。

<テーマ2>天岩戸神話と高千穂

このテーマでは天岩戸神話の物語を紹介し、高千穂とどのような関わりがあるかを解説します。具体的なスポットとしては、天岩戸神社と天安河原(あまのやすかわら)が挙げられます。

天岩戸神話の物語

天岩戸神話は天照大神、月読命、素戔嗚尊が誕生した後の話です。高天原には、太陽神・天照大神をはじめとする数多くの神が暮らしていました。中でも素戔嗚尊は田んぼを荒らしたり、馬の皮を剥いだりなど大変な暴れ者でした。素戔嗚尊のあまりの所業に怒った天照大神は天岩戸という洞窟に隠れてしまい、入り口を大きな岩でふさぎました。
世界は暗黒に包まれ、作物は枯れ、疫病が流行します。困った神々が天安河原に集まり作戦会議を開いた結果、ある方法で天照大神を洞窟から出そうと考えます。
そこで登場したのが踊りの名人である女神・アメノウズメです。アメノウズメがおどけて踊りだすと神々はあまりの面白さに大声をあげて笑います。天照大神は「私がいなくて世界は大変なことになっているはずなのに、なぜ笑っているのだろう」と思い、洞窟から顔を覗かします。
周りの神々は「あなた様より高貴で美しい神が現れたからです。今お見せします」と言い、天照大神に鏡を見せます。鏡に映った顔が自分の顔だとわからなかった天照大神がよく見ようとして身を乗り出すと、力持ちの神が洞窟を一気に押し開け、無事に天照大神を外に連れ出すことができたのでした。天照大神が戻ったことで世界に再び光が差しました。原因を作った素戔嗚尊は罰を受け、高天原を追放されました。

高千穂との関わり

天岩戸神話と関わりのスポットとして、天岩戸神社と天安河原があります。天岩戸神社は、天照大神が隠れたと言われている天岩戸を御神体として祀っている神社です。
また、周辺には天照大神が天岩戸に隠れた際に、神たちが作戦会議を開いたとされる、天安河原があります。

<テーマ3>天孫降臨と高千穂


このテーマでは天孫降臨の物語について説明します。また、天孫降臨と関連するスポットとして、槵觸神社を取り上げます。

天孫降臨に関わる物語

素戔嗚尊が地上へと追放され、出雲に降り立ちました。その地を荒らしていた巨大な怪物・ヤマタノオロチを退治し、その体内から手に入れた草薙剣を天照大神へ献上しました。また、素戔嗚尊はヤマタノオロチの生贄にされそうになっていた櫛名田比売(くしなだひめ)を妻に迎え、長く出雲の地で暮らしました。その後、素戔嗚尊の子孫である、大国主神(おおくにぬしのかみ)が地上を繁栄させました。
しかし、天照大神は自分の子孫に地上を統治させようと考えます。交渉のため何人かの神を出雲に派遣しましたが、上手くいきませんでした。最終的には国を譲ることが約束され、天照大神の孫、瓊瓊杵尊が地上へと降り立ったのが天孫降臨です。
そのあと、三代にわたって神々が日向に住みました。瓊瓊杵尊の子である山幸彦が海の神の宮殿を訪れる物語は、浦島太郎の原型とも言われています。その後、山幸彦は海の神の娘と結婚して、生まれたのが鸕鶿草葺不合尊(うがやふきあわせずのみこと)で、その子どもが初代天皇の神武天皇です。神武天皇は天下を安らかに治めることができる地を求めて旅立ち、大和を平定して橿原神宮で即位するまでの「神武東征」へと物語が続きます。

高千穂との関わり

槵觸神社は天孫降臨の地として伝えられています。境内には瓊瓊杵尊をはじめとした神々が高天原を遥拝したと伝えられる高天原遥拝所があるほか、神武天皇と3柱の兄弟神が誕生した場所と伝えられている「四皇子峰(しおうじがみね)」があります。
このほか、神武天皇の孫で、阿蘇神社の祭神として知られる建磐龍命(たていわたつのみこと)が立ち寄った国見ケ丘も神話ゆかりのスポットとして紹介できます。また、九州の宇佐(大分県)や筑紫(福岡県)、中国地方の安芸(広島県)や吉備(岡山県)など神武東征で登場した地域や大和朝廷の成立の歴史などに話題を広げても良いでしょう。

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