【高千穂】高千穂峡の魅力を学ぶ ~歴史・景観・体験の楽しみ方~

エリア・プラン

はじめにー高千穂峡とはー

高千穂峡は宮崎県高千穂町にある渓谷で、宮崎県を代表する観光エリアです。9万年以上前に起きた阿蘇山の火山活動と五ヶ瀬川の浸食によって形成された美しい景観が見どころです。また、神話の伝説や歴史に関連するスポットもあります。綺麗な川の水を使った流しそうめんや地形を間近で体感できるボート体験などのアクティビティも楽しめます。

この記事では高千穂峡の魅力を伝える上で知っておきたい以下の3つテーマについて解説します。

  • <テーマ1>峡谷を生み出した火山活動の歴史
  • <テーマ2>大地の力が生み出した神秘的な地形や景観
  • <テーマ3>高千穂峡で楽しめるアクティビティ

高千穂峡の位置

それぞれのテーマに入る前に高千穂峡の範囲について知っておきましょう。高千穂峡は宮崎・熊本・大分3県の県境の近くに位置する、全長約1.7kmの渓谷です。宮崎県内の観光地ですが、県庁所在地の宮崎市から訪問するよりも、熊本市からの方がアクセスは容易です。

<テーマ1> 峡谷を生み出した火山活動の歴史


高千穂峡を案内する際、渓谷の地形を生み出した背景について説明する必要があります。このテーマでは、日本全体の火山活動と、阿蘇火山と高千穂峡の関連性について取り上げます。

日本の火山

高千穂峡の成り立ちを説明する上で、阿蘇山の火山活動に触れますが、前提知識として日本の火山の全体像も押さえておきましょう。日本で生まれ育った人であれば地理の授業を通じて、日本に火山が存在することは多くの人は知っています。しかし、西ヨーロッパやオーストラリアには火山は少ないため、それらの地域から来た旅行者は、火山に対するイメージがわかない人もいるでしょう。
世界には約1,500の活火山があります。そのうち日本には100以上の活火山が存在します。地域としては、九州(雲仙岳、桜島など)、中部(白山、御嶽山など)、東北(恐山、蔵王山など)には火山が多く存在しますが、関西と四国には火山が存在しません。
火山には噴火や地震のリスクがあります。特に富士山の噴火が将来的にも危惧されていて、実際に発生した場合には東京を含め、日本経済全体への影響が懸念されています。その一方で、火山の地層には雨水がしみこみやすいため、火山の周りには湧き水が豊富であることや、地中のマグマによって地下水が加熱されて温泉になるなど、火山による恩恵もあります。

高千穂峡を生み出した阿蘇山の火山活動

日本を代表する火山の一つである阿蘇山では、約12万年前と約9万年前に大規模な火山活動がありました。噴出した堆積物を、高千穂町を流れる五ヶ瀬川が長い時間かけて浸食したことで高千穂峡が形成されました。溶岩やマグマが冷えて縮むときに出来る、五角形や六角形の柱状の割れ目である柱状節理(ちゅうじょうせつり)は高千穂峡一帯に存在します。特に高千穂峡遊歩道を通ると、大小さまざまな柱状節理を観察でき、火山の影響を実際に感じられます。
阿蘇山の火山活動についてより詳しく紹介するには、27万年前にはじまる阿蘇山の成り立ち、160キロ以上離れた山口県にも火山の堆積物が残されているという過去の噴火や、カルデラ湖が形成された過程、近年の噴火による影響などについても調べておきましょう。
高千穂は神話ゆかりの地としても有名ですが、神話や伝説においても、火山はとても重要な存在です。阿蘇山においては火山の噴火への畏れから、阿蘇神社を中心に、火山に神がいるとみなす山岳信仰が発展しました。

<テーマ2> 大地の力が生み出した神秘的な地形や景観


高千穂峡には、自然の力によって何万年もかけて形成された地形や景観が存在します。ここでは代表的なスポットである真名井の滝、おのころ池、槍飛橋の楽しみ方について解説します。

真名井の滝

真名井の滝は高千穂を象徴する風景です。落差が17mもあり、崖から糸のように水が流れ落ちていく様子は、数多くの旅行者を魅了します。高さ20mのところに架けられた御橋は、滝を見る展望スポットになっています。また、断崖に沿って約1キロにわたって整備されている高千穂峡遊歩道からは、様々な角度で滝を眺めることができます。
真名井の滝を背景にした写真撮影の準備をしましょう。下見をして、旅行者と滝を綺麗に撮影できる場所を特定しておくと、ツアー当日に慌てずに対応ができます。インターネット上には、プロの写真家やインフルエンサーなどが撮影した写真も掲載されているので、画角の参考にもなります。また、紅葉の時期や夜にライトアップされた景色の写真を資料として用意しておくと、季節ごとの高千穂の魅力を伝えることができます。

おのころ池

おのころ池は日本列島を生み出した神話である国生み神話にゆかりがあると言われています。池の中心にあるおのころ島は神々がつくり出した最初の島とされています。ここでは、イザナギノミコトとイザナミノミコトの成婚をはじめとした神話のストーリーを紹介しましょう。旅行者の出身国における伝説や神話と比較するのも案内の手法の一つです。また、おのころ島は架空の島であるという説や、日本各地におのころ島と伝承されてきた場所についても伝えてもよいでしょう。

槍飛橋(やりとびばし)

高千穂峡の地形と関わりの深い槍飛橋も紹介しておきたいです。槍飛橋は五ヶ瀬川の最も狭くなっている部分にかけられた橋です。その名前の由来は、16世紀末に高千穂で戦乱があり、逃げ出した武士たちが槍を使って対岸に飛び渡ったという言い伝えがもとになっています。この戦乱には豊臣秀吉の九州平定が関わっていることや、落城する前この地を治めていた三田井氏についても調べておくとよいでしょう。この他、柱状に入った割れ目が屏風のように見える仙人の屏風岩や、高さ約3メートル・重さ約200トンの鬼八の力石などが見どころとして存在します。

<テーマ3>高千穂峡で楽しめるアクティビティ


高千穂峡においては、自然を活かした体験も味わえます。ここでは代表的なアクティビティであるボート体験、流しそうめん、サイクリングを解説します。

ボート体験

手漕ぎボートで渓谷の景観を楽しむのも外せない体験です。真名井の滝や柱状節理の崖を間近で楽しめることから、毎年多くの旅行客がこれを目的に訪れます。案内する際の注意点としては、船の確保と旅行者の安全面への配慮です。ボート体験は非常に人気が高いことから、ツアースケジュールに組み込む際には、高千穂町観光協会の貸しボート予約サイトで、ボートの空き状況を確認して、事前に予約ましょう。予約なしでも当日券を購入するすれば体験可能ですが、指定された時間まで待つ必要があります。また券の数には限りがあるので早めに購入する方がよいでしょう。
また、旅行者の安全を確保するために禁止事項が設けられているため、スタッフからの説明を通訳し、順守するよう伝えましょう。例えば、ボートの上での立ち上がりや、漕ぎ手の交代などが禁止されています。注意事項として、他の旅行者の船とぶつからないように気をつけることや、滝に近づきすぎると濡れる可能性があることも伝えてください。

流しそうめん

高千穂は流しそうめん発祥の地であり、「千穂の家元祖流しそうめん」で体験できます。店内では竹の樋(とい)が並べられ、高千穂峡にある玉垂(たまだれ)の滝の水が使われています。旅行者を案内する際、1950年代に誕生した流しそうめんの歴史を紹介しつつ、五ケ瀬川の清流で育ったヤマメやくるみ味噌を使った渓谷だんごなど、高千穂の名物を一緒に食べると良いでしょう。

サイクリング

高千穂峡周辺で楽しめるアクティビティとしてレンタサイクルもおすすめです。観光案内所では自転車の貸出をしています。自転車を活用すれば国見ヶ丘展望台や天安河原の洞窟など徒歩では訪問が難しい場所を訪れることができ、高千穂峡以外の地域の自然や景観を魅力を存分に楽しめます。

このほか、高千穂町観光協会では高千穂神社での夜神楽や勾玉つくりなどの体験プログラムもあるので、旅程に組み込んでみてください。

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